日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

夏日になりました

今日はとても天気が良い日になりました。
夏日を記録とのことですね。
少しばかり日焼けをしましたよ。
最近は水天宮やその近くで映画の撮影をしているようです。
阿部寛さんをはじめとする俳優さん、女優さんをよく見かけます。
日本橋全域での撮影とのことですが、特に水天宮での撮影は多いのかも知れません。
東野圭吾さんの小説シリーズの一つ、麒麟の翼のお話のようです。
日本橋の橋の飾りに翼のある大きな麒麟がいますよね。
まずはそこが話しの始まりのようですよ。
僕はこの動物病院でお仕事をする前は、江東区の動物病院にいました。
その時に診察に来られていたかわいらしいワンコがいます。
来院時のほとんどがママと一緒でした。
僕がその動物病院にいたのは開院からの5年間。
それから今の動物病院に移りました。
時々こちらへも来られましたが、ほとんどの場合は、僕が以前にいた動物病院の方へ行かれていたようです。
突然のお知らせは今年の4月に入ってからでした。
不治の病だと言われたのだそうです。
僕がいろいろと診察をしましても、やはり同様の意見でした。
治療することができない。
そのワンコのご家族は覚悟を決められ、今後の治療はうちの動物病院でされることになりました。
ご自宅からは少し遠いところですので、できるだけ往診での診察がはじまりました。
夜の往診やいろいろなご相談。
とにかく残された時間が長くないことは確かですので、できることは何かを懸命に考えながらの日々でした。
あまり日数が経たないなかで、体のあちこちに不調が見られるようになりました。
とにかく食欲が旺盛の子ですので、食べてくれることが何よりの救いでした。
しかし、その食欲にも限界が迫り、とうとう食べることがなくなりました。
それから1週間もありませんでした。
4月の終わりに飼い主さんの見守るなかで、最後の日を迎えることになりました。
僕にとってもいろいろと思い入れがある子です。
とても友好的で、治療もしっかりと受け入れてくれました。
往診でご自宅に伺いますと、少ない体力でワンワンと歓迎してくれていました。
再会から1か月ほど。
このような形で最後にお付き合いさせていただけることは大変に光栄なことだと思っています。
それから2か月ほど経った頃です。
震災から3か月の頃。
また同じ犬種を飼うのだとお話されていたご夫婦が、小さなワンコを抱いて来院されました。
ワンコのいない生活は考えられなかったのかもしれません。
ご夫婦ともに以前からワンコを飼っていらしたようでした。
この再会はとても嬉しいものでした。
笑顔のご夫婦と元気なワンコ。
診療記録で少し変わったことがありました。
生年月日が不明なのです。
時々、血統証が遅く届く場合があります。
もしかしてそうなのだろうかと思いましたが、違いました。
震災の影響で里親を募集していたワンコだったのです。
いろいろな運命で出会いがあるものです。
これかよろしくお願いしますとお話されたご夫婦。
こちらこそ、末永く。
また楽しい日々がはじまります。