日本橋動物病院だより

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黄色い猫さん- 猫のすい臓がん-

梅雨に入り、雨の日を気にしながら天気予報をよく見るようになりました。今年はまだ雨続きの日はないので、屋内に足止めされずにすんでいます。

今回来院されたのは、黄色い猫さんです。黄色いのは、黄疸。オシッコと皮膚がいつもよりも黄色い。

まだ食べなくなっているとはいえ元気です。まったく食べないわけではないので、ご家族の方々も早く治ればいいな、という期待の中で和やかな診察ができていました。

それでも食欲も元気なく、よく吐き戻すということで、いろいろと検査を進めます。特徴的に異常値が出たのは血液検査で調べた肝臓の数値。黄疸の数値も結構高くなっていました。

腹部X線検査、超音波検査では、総胆管という胆汁の出口がかなり太くなっています。肝臓そのものも傷んでいるようです。

さらに詳しく調べるためにCT検査をおこなうと、すい臓がんが見つかりました。

すい臓の周りには、総胆管、十二指腸、膵管などがあり、今回はこれらすべてを取り込むようにがんが広がっています。

胆汁の進み方は、肝臓→胆嚢→総胆管→十二指腸

食べ物の進み方は、食道→胃→十二指腸

この十二指腸ががんでほぼ塞がっているので胆汁の流れもよくないし、勢いよく食べてしまうと吐いてしまう。

ご家族の方々と話し合って、緩和ケアに徹する。そういう結論になりました。

猫さんのご家族は、食べる量が少なくなったときや、吐き戻す回数が増えてくると来院されます。

来院されると毎回猫さんの様子を詳しく教えていただきながら、いつもその他いろいろなお話になります。

お父さんのお仕事のお話はとても興味深く、もっともっとお話を聞きたいくらい。ときにお母さんは涙されることもありますが、笑顔で猫さんに向き合っていらっしゃるご家族です。

それでも、だんだんと軽くなる猫さんを見るのは本当に辛い。

これからも困難があるでしょう。ご家族の意向を伺いながら、できるだけのことをしたい。そう思っています。

とにかく、生活の質を落とさないように、ご家族ができるだけ長く一緒にいられるように。

青空がせめてもの救いです。どうにか雨が続きませんように。