日本橋動物病院だより

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整形外科

1月31日(月)の午後から2月4日(金)までの5日間、海外である整形外科の勉強会に参加してきます。
休診でなく、代わりの獣医師が診療を担当させていただきます。
経験と実績のある獣医師ですので、安心してご相談ください。
もしいつもとは違うことをご相談希望の場合にもよい機会になるかもしれません。
新しいことを知るにはこのような勉強会や学会に参加する必要があります。
少しの間留守にしますが、皆様に必ず還元できる時間になると期待しています。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
早速ですが、今年はじめての手術は股関節異形性のワンちゃんの手術でした。
(ここ数年のことですが、年始めの手術は整形外科です。)
片足を引きずるように歩いているワンちゃんでした。
レントゲンを撮って調べて診断を行いました。
飼い主さんといろいろとご相談をした結果、僕が最も良いと考える大腿骨頭切除をいう手術手技を行うことになりました。
いろいろなお話を手術前に飼い主さんとしましたので、当日は特別なことはなく、全てが予定通りに進みました。
小さなワンちゃんですが、とてもフレンドリーです。
手術当日も、遊んで遊んでと尻尾を振ってくれます。
ゆっくりと麻酔をかけて寝かせた後で手術開始です。
スタッフも慣れていますし、手術準備は器具を含め十分でした。
おおよそ30分ほどで必要なことが終了し、あとは確認や仕上げを行いました。
麻酔をはじめてからワンちゃんが起きるまではおおよそ1時間弱でした。
股関節や太ももの骨の手術です。
筋肉がいろいろとある部分ですが、解剖学的に必要なものは限られています。
神経や血管もありますので、傷つけないように慎重に操作が必要なところがあります。
しかしながら、この手術は整形外科では最も簡単な手術だと思います。
終わって2-3時間しますと、飼い主さんがご面会に来られました。
すでにこのとき、ワンちゃんは歩けていました。
飼い主さんも驚いていらっしゃいました。
僕も歩くことはあるだろうと予想しましたが、ここまでまるで何事もなかったように歩けるとは思いませんでした。
少しの間入院管理をして退院でした。
飼い主さんの早めのご決断がよかったのではないかと思ってます。
もしかすると今頃は普段と変わらない生活が送れているかも知れません。
そしてもう1件は昨年末に手術をしたワンちゃんが定期健診で来院しました。
まだ1歳にも満たないトイプードルちゃんです。
手首(橈尺骨遠位端)の骨折でした。
Tプレートと呼ばれる器具を使った手術でした。
実はこの種類のワンちゃんのこの部分の手術は難しいとされています。
手術手技そのものは他と比べて特別なことはないのですが、原因がはっきりとしない癒合遅延や癒合不全と呼ばれる不具合が起こりやすいとされます。治らなかったり、治りに非常に長い時間がかかったりするのです。
手術がうまくいったとしても、その後で問題が起こりやすいのです。
しかも、その問題がなぜ起こっているか原因がわかりにくいのです。
「専門医でも避ける手術」本当かどうかはわかりませんが、そう言う獣医師もいました。
年明け早々に診せていただきましたが、飛んだり跳ねたり、さすがは若いだけあって元気です。
昨年は整形外科に終わり今年は整形外科に始まった印象があります。
オーストラリアでさらによい体験ができると期待しています。