日本橋動物病院だより

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「いただきます」

今年4月から一緒に働き始めた獣医師は、かなり年が離れていますが、僕と同じ大学の出身です。
休憩の時間や就業後ののんびりとした時間などに、ときどき大学時代に体験する講義や実習の話をすることがあります。
時を超えて共通の体験が多くあるようです。
今回話をしたのが、「食」についてです。
私達獣医師は、安全なお肉の供給についても学びます。
獣医学を学ぶ学生時代には必ず、屠畜場での生きた牛や豚が肉になるまでも見学します。
庭先で飼っていた鶏が夕食として供されることがあったと、あるテレビ番組で昔話のように話されることがありました。
小学校で豚を1年間ほど飼育して、食べるか、残すかを議論する番組を観たこともあります。
普段あまり深くを意識せずに貴重な命をいただいています。
今日はなぜか感傷的になり、特別に何があったわけではないのですが、お昼にいただいたショウガ焼きに手を合わせて「いただきます」をしたときに、いつもちは違う気持ちになりました。
いつもは、作ってくれた人に対する感謝の「いただきます」が多いのですが、今日は特にショウガ焼きに感謝でした。お昼が3時過ぎだったので、お腹が空きすぎていたのも事実ではありますが。
(本当にありがたかったので)
屠畜場での様子を思い出すと、命をつなぐために失われる命があることを意識します。
当分は、「いただきます」の言葉に力が入りそうです。