日本橋動物病院だより

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腎周囲嚢胞

何だか長い名前の病名ですね。
腎臓には皮膜とよばれる膜がかぶっています。
腎臓とその膜との間に液体が貯まる病気です。
雄ネコにみられます。
この腎周囲嚢胞と言う病気そのものは、それほど怖い病気ではありません。
しかし、これがあると腎臓の働きが悪くなることがあります。
また、液体がすぐにたまるために、たびたび通院が必要でした。
そこで、思い切って手術をお勧めしました。
腎臓の皮膜を切除して、液体を体の中に逃がす方法です。
これが唯一の解決方法です。
ただし、大きな問題がありました。
このネコちゃんは18歳です
通常は手術をお勧めする年齢ではありません。
しかし、手術をしないとこれからずっと3-4日に1回のペースで通院が必要です。
飼い主様もかなり悩まれたようですが、手術を決心され、昨日手術を行いました。
本当に看護士が一人でよくやってくれて、無事に手術を済ませることができました。
麻酔をかけて、お腹を切開し、腎臓の膜を電気メスでゆっくりと切除します。
途中貯まっていた液体がかなりの量出てきますので、吸引器で吸い取りながらの手術でした。
驚くことに、そのネコちゃんは手術から5時間後には食事をとれるようにまで回復していました。
手術前には苦しそうに大きかったお腹も、手術の後にはもとのお腹に戻ってすっきりとしていました。
そして、手術翌日の今日には退院しました。
飼い主様は本当に笑顔で帰って行かれました。
昨日連れて来られたときとは違う表情に、こちらの方が嬉しくなりました。
18歳でも、とても若いネコちゃんでした