日本橋動物病院だより

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前十字靱帯の断裂

このまま涼しいとは期待していませんでしたが、・・涼しいですねぇ。
暑さがぶり返すのではないかと思っていたのですけど。
今朝早くに足をケガしてしまったワンちゃんが来院しました。
左足を痛そうにしています。
いろいろと調べますと、膝の靱帯が切れています。
前十字靱帯の断裂です。
ヒトにもあるものですが、ヒトの場合と違うところがあります。
ヒトは外傷性です。いわゆるケガで起こります。
スポーツをする方に多いかも知れません。
一方、ワンちゃんの場合は、前十字靱帯の変性で起こります。
靱帯が弱くなり、そして損傷するのです。
基本的に外傷性ではありません。
それが故に、片足の前十字靱帯の損傷が起こりますと、ほぼ確実にもう片方にも起こります。
今回のワンちゃんはかなり前ですが、逆側の膝の手術をしています。
それから2年ほどは経っていると思いますが、通常は片方の損傷が起こってから、数カ月でもう片方にも損傷が起こるとも言われます。
治療は保存療法と言って、基本手術をしない方法と、手術をして治す方法があります。
今回は手術をすることになりました。
前十字靱帯の断裂はいろいろな手術方法があります。
手術方法がいろいろとあるということは、これが最良の手術方法というものがないとも言えます。
それぞれに、利点、欠点があります。
最近主流なのはTTAやTPLOと呼ばれる手術手技です。
スネの骨(脛骨)を切って行う手技で、特別な道具や、またその道具を使うトレーニングを受けなければ行うことができません。
ワンちゃんは少し落ち込んだ様子です。
痛いでしょうから、痛み止めを使いますよ。
飼い主さんは来院前から手術が必要とお考えだったようです。
「入院中はこのご飯で。」と、お持ち下さっていました。
今日は検査で明日は手術。
早くに歩けるようになるといいね。