日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

秋らしくなりました

8日水曜日の豪雨の後から涼しくなりましたね。
日中はそれなりに暑いですが、朝夕はさわやかな風が心地よいので、ワンちゃんのお散歩も少しばかり時間をかけることができそうです。
最近続いたネコちゃんの病気についてです。
尿道閉塞。
これは膀胱から尿がでるところまでの尿道に何らかの物が詰まってしまうものです。
こうなりますと尿が出ません。
でも膀胱には貯まっていきます。
出口を失った尿はそのまま膀胱を内側から圧迫します。
もともと膀胱は風船のように膨らんだり縮んだりするものですので、ある程度の柔軟性があるのです。
しかしながら、尿道閉塞が起こりますと、結構早い段階で、たくさんの尿で満たされることで膀胱は硬くなります。
触診しますと、普段は軟らかい膀胱も、尿道閉塞をおこして時間が経ったものはカチカチのまるで石を触っているようです。
先日来院したネコちゃんは、大きなネコちゃんでした。
(ちなみに、標準的なダックスちゃんよりも重い子です。)
トイレに何回も行くけれども、出ていないようだ。
飼い主さんは心配そうにそうお話しされました。
触診をするとまだ膀胱は軟らかいのですが、この段階ではまだ確かめなければならないことがいくつかあります。
閉塞を起こしているのか、いないのか。
「尿が出ていない」ときにはトイレでしていないだけで、もしかするとちょこっとずつ出ているものを舐めていることもあります。また、ごくわずかずつしか出ませんから、カーペット、足ふきマットなどでしていても量が少なくて分からない場合もあります。
もちろん、全くでていないこともあります。
少しばかりお預かりをしまして様子を観察しますと、全く出ていないことがわかりました。
明らかに尿道閉塞です。
尿道閉塞を治療するときには、尿道から尿道カテーテルと呼ばれる小さな管を入れます。
痛がることもありますので、様子をみながら麻酔をしたほうがよいかを判断しますが、このネコちゃんはほとんど痛がるそぶりもなくカテーテル処置ができました。
膀胱洗浄をしますとストラバイトと呼ばれる結晶物がたくさん膀胱内から回収されます。
何度か洗浄を繰り返します。
この病気は再発もよくありますから翌日も洗浄しました。
閉塞が解除されてからは、元気も食欲もでてきました。
多頭飼いでお家で待っているネコちゃんが数匹います。
早くに帰ろうとキャリーケースにまっしぐらでした。
早くに連れてきていただいたので、尿道閉塞に続いて起こりやすい腎不全はみられませんでした。
またすぐにみんなの元へ帰れましたよ。
食欲の秋、またたくさん食べて、もっと大きくなるのかなぁ。