日本橋動物病院だより

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前十字靱帯 -2of2-

土曜日で雨。
ゆっくりスタートで外来が始まると思っておりましたが、意外と混雑してしまいました。
雨も、強くなったり、弱くなったり。
ところで、前回の続きなのですが、前十字靱帯断裂の手術の開始です。
全身麻酔を行いながらの手術です。
手術前の検査は先日終了しておりますので、今日は身体検査だけを行い、そのまま手術を行います。
僕が執刀し、もう一人の獣医師が麻酔医を、そして、僕の右腕である看護士が助手です。
この子は、前十字靱帯断裂の整復手術と、目の上の腫瘍の手術と、右ワキの腫瘍の手術、そして、右足の甲にある小さな腫瘍の手術をいっぺんに行います。
前十字靱帯の手術を最初に行いました。
麻酔をかけると、この損傷特有のサインがよりはっきりとわかります。
手術で、このサインがなくなるようにします。
足を曲げ伸ばししながら、手術を進め、最終的にはしっかりと固定できました。
次は目の上の腫瘍。
これは悪性腫瘍も考えられるので、できるだけ広く取りたいところですが、場所が目の上だけに、そう余裕をもって広く取ることができません。
かと言って、再発は絶対に避けたいところです。
また、まぶたギリギリを手術しますので、左右の目みための大きさが変わらないように、形成が必要です。
おそらくは黒色腫という腫瘍だと思いますが、皮膚の黒色腫は良性も多いために、しっかりと取った後は腫瘍の病理検査を待つだけです。
その他、ワキのところ、足の甲と進め、無事に何事もなく手術は終わりました。
全員でやり遂げた手術でした。
次ぎの日には、まだ足は赤くしていましたが、思ったよりも元気で何よりでした。
早く足がうまく使えるようにと、今はそれを祈るばかりです。
飼い主さんの笑顔が何よりも嬉しいものでした