日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

アメリカに行ってきました。 -その1-

新しい年が明け、バタバタとしているうちに、もう2月になってしまいました。いろいろな課題に追われるような1か月でした。

1月の中旬にアメリカに行ってきました。

整形外科の勉強です。

獣医師の場合、特別な動物病院で勤務しない限りは、開業前に整形外科ができるようになっていることはありません。勤務先が整形外科を得意としていても、基本的には院長が手術をすることがほとんどです。勤務医時代に整形外科手術ができるようになるためには、長く勤める必要があるか、短い勤務経験でも手術を任せてもらえるようなところで仕事をするしかありません。おそらく、多くの獣医師が、開業後に自分で勉強をしながらスキルを高める必要があります。

僕も開業前まで、整形外科手術はほとんどやっていませんでした。

今ではかなり多くのこを行なっていますが、できないことの穴を埋めるための作業を続けた結果です。そして整形外科手術が好きになりました。今回も技術と知識を高められたらという期待を持ってのアメリカ研修です。

犬の後脚に起こる外科疾患の中で、最も多いとされているのが前十字靭帯の損傷です。今回はその手術方法であるTPLOというものを実際に数回行ってきました。

この手術ではとても有名な先生がいます。

講師はDr. Brian Beale(ブライアン ビール先生)です。

普段はテキサス州ヒューストンの動物病院でお仕事をされていて、世界中から手術見学希望の獣医師が集まります。

今回はテキサス州の動物病院ではなく、アメリカ西海岸、ロサンゼルス空港で乗り換えて、飛行機で1時間ほどのラスベガス空港のすぐ近くにあるOquendo center(オクエンドセンター)という研修施設で行われました。

ここに来るのは何回目でしょうか、6回目か、7回目かですね。
目的は毎回手術の研修です。TPLOは、初めてオクエンドセンターを訪れたときにも学びました。当然このときの講師もDr.Bealeです。その後、別の手術手技の研修と、今回のTPLOで計3回、彼から学びました。

そしてDr.Bealeは、今来日していまして昨日も品川で講演がありました。

今回は、東京で講演をして大阪で実習となっていますが、日本では手術練習をするとしても、膝の骨模型を使ってすることになりますので、実際とはかなり異なります。彼の来日がわかっていながらも、アメリカに行くのは実践的なトレーニングのためです。

今回オクエンドセンターで研修をしているときに、同じフロアでヒトのドクター向けの整形外科のコースが開催されていて、その部屋には献体された人体があるので、見えてしまうかも知れませんとの注意がありました。

Dr.Bealeは、君に会うのは何回目かな?と、声をかけてきてくれました。とても気さくな先生です。今回のコースの参加者は、おおよそ20名でした。ほとんどがアメリカ人獣医師で、少数のカナダ人獣医師、そして一人の日本人でした。

アメリカ行きは、航空券、宿泊、そして研修申し込みの手配から始まります。はじめに、オクエンドセンターで行われるプログラムを確認し、希望のものがあれば日程をみて、スタッフの都合を聞きながら予定を決めます。あとは、航空券、宿泊の手配ですが、ラスベガスへは直行便がありません。羽田からでも成田からでも、1回は乗り継ぎが必要です。僕はいつもどおり夜8時まで診療をしてから出発できる深夜便が出るので、ロサンゼルスで乗り換えることがほとんどです。そこから先は、今回はLCCを選びました。

時差がありますので、飛行機の往復と現地での宿泊は注意しながら予約するようにしています。

以前もに使った、自作の旅程表がありまして、見るつもりはなかったのですが、ちょっと思い出深く読んで見ました。すると、ESTAというアメリカへの入国申請手続のことが書かれていました。えっ?今回申請していませんでした。間に合うのかな?気付いたのは出発当日です。
慌ててアメリカ大使館のサイトから申請手続をはじめました。一応、申請は即時してもらえるようでしたので、大丈夫だろうとは思いながら、それでも焦ります。すると、ESTA申請画面に、即時判断が困難なので、72時間以内に回答しますと表示されます。72時間後に申請が通っても間に合いません。できることはやったので、後は言われたとおりに待つしかありません。

30分もしないうちに、申請が通ったとの回答でしたので、ホッとしました。

羽田発ロサンゼルス行の便は、乗ってすぐの機内食がありません。できるだけ乗る前にお腹に入れておかないといけませんので、軽く食事をしてから出発です。

搭乗手続きのカウンターでも、ESTAが通っているかの確認をしてもらい、問題ないとのことで、安心して搭乗しました。
飛行機は定刻で出発し、幸運にもスターウォーズ仕様でした。機内アナウンスも、C3-POの声で挨拶があり、ヨーダの人形が空席に座っていたり、もちろん機体にもBB-8のデザインがしてありました。

そして、同じ便にキャイ~ンのウドちゃんが乗っていました。

ちょっと席を立つときに、チラっと見たのですが、小さなノートに小さな字でびっちりと何か書かれているところでした。

テレビのウドちゃんとは違う印象で、綿密な計画をもってお仕事をされていそうで、でも、そうだからこそ長くやっていらっしゃるんだろうと納得してしまいました。

行きの機内では手術の流れを確認しました。

手術が終わったら、レントゲン撮影を行って仕上がりを確認することになっています。

3日間ある研修のうち、2日目と3日目の両日の朝一番でおよそ1時間かけてそのディスカッションがあります。英語が得意ではないので、想定される内容をある程度考えておかないと、その場で必要な討議ができないと周りの方々に迷惑になってしまいます。

アメリカに行くときは、とにかく行きの飛行機でくつろぐことはなかなかできません。

ある程度の準備ができたところで、努めて寝ることにしました。

僕の場合、帰国するまで続く時差ボケに必ず悩まされることになりますから。

-つづく-