日本橋動物病院だより

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AOコース

先日、6月3日(金)から5(日)はお休みを頂きまして、AOコースというものに参加してきました。
整形外科の新しい情報を聞いたり、体験したりといった、学会のようなものです。
もともとはスイスで始まったヒトの整形外科の協会が始まりです。
獣医師向けのAOVET(VETは獣医師という意味)はスイス、イギリス、EU諸国、そして、北米、南米でコースを開催していましたが、2008年にはじめて日本でこのコースが開催されました。
→AOVETのサイト(英語)
大変に興味がありながら、海外まで行く時間をつくることができずに、もどかしい思いをしていました。
しかしながら、3日も動物病院を休診しなければなりませんが、国内であるのに参加しないわけにはいきませんでしたので、2008年の第1回目にも参加しました。
骨折の整復手術や脱臼の手術についての話題が中心ですが、この分野は道具がどんどんと新しくなります。当然ながら、手術方法も新しくなるものが多くあります。
第1回では知ることができなかったいろいろなテクニックを知ることができました。
実はこのコースは、プリンシパル(基礎編)とアドバンス(応用編)に別れていまして、今回参加したのはアドバンス(応用編)の方です。
この応用編には、僕などよりも、ずっとずっと経験のある先生方が数多く参加されていました。
このコースの実習で、コンペがありました。
骨の模型をつかって手術手技を競うものです。
2人1組で行うのですが、僕の組が最優秀に選ばれました。
コンペが本来の目的ではありませんので、お楽しみイベント的な意味合いが強いのですが、それでも、周りの大先生方の中から選んでいただいたことは励みになるものでした。
スイス(チューリッヒ)から来日された講師に表彰されました。
整形外科は大変に難しいものだと思います。
外国からの講師陣も、いろいろなすばらしい手術の経過を発表されましたが、失敗も数多く教えてもらいました。
もしかしたら、コースを受けている獣医師に、数少ない彼らの失敗談をわざと教えてくれているような、そんな印象を持ちました。
どんなに手術が上手でも、他の獣医師が厳しく評価したら、必ず3つ以上の改善点があるのだそうです。
整形外科とはそのような分野です。
日々鍛錬。
知識面でもメンタル面でもよい刺激を受けました。
3日間の休診日、皆様にはご迷惑をおかけいたしました。
本当にありがとうございました。