日本橋動物病院だより

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膝蓋骨脱臼

初雪だったようですね。
今日の午後はみっちり手術でした。
初雪を見ることができませんでした
今日はじめの手術の子は、以前に前足を骨折したトイ犬種(小型犬)です。
前足の骨折の時はプレートとスクリューを使った手術をしました。
その手術から3カ月が過ぎ、前足の骨折は完治していますので、前から気になっていた膝の手術をすることにしました。
いわゆる膝のお皿が脱臼する症状が見られます。
トイ犬種にはよく見られる異常です。
膝のお皿を膝蓋骨(しつがいこつ)と呼びますが、診断名は膝蓋骨内方脱臼です。
この膝蓋骨は正常では太ももの骨の膝側の端にある溝(滑車溝:かっしゃこう)に収まっています。
それがいろいろな理由から溝から出て脱臼してしまいます。
一応、脱臼の程度をグレードと呼ばれる分類で分けますが、この分け方には主観が多く入るために、分類法そのものに疑問の声もあります。
一般的ですので、今回もこの分類をしてみますと、グレード4という最も状態の悪いものでした。
これは、常に脱臼を起こしていて、ヒトの手や指で簡単に脱臼を治すことができず、手術をする必要がある状態です。
飼い主さんは、脱臼を起こしている足を挙げたまま歩く姿に心を痛めていらっしゃいました。
まだ成長期でもありますので、できるだけ早くに正しい状態に治すことを希望されていました。
手術は予定よりも早めに終わり、それでもかなり厳しい手術でしたが、うまく行ったと思います。
1週間は足を使わないようにしなければなりませんし、痛みがないようにしなければなりません。
早めに退院できるように、もう少し安静が必要です。
小さな子。
これから長く使う足です。
ゆっくりと休めて、しっかりと治りますように