日本橋動物病院だより

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できものが見つかったら

午前中はとても良い天気でしたね
受付ではエアコンの暖房をつけていましたが、「暑い」と言われるほどでした
今週あった手術から、2件の腫瘤(できもの)について。
女の子の皮膚のできものと、男の子の口の中のできものです。
女の子の物は小さいできものですが、始めの検査であまり良くない細胞が増えていました。
本当に小さいので、検査をする僕の方があまり心配ないだろうと思っていました。
針生検を行いました。
注射の時に使う針でできもの刺して、採れた細胞を顕微鏡で検査します。
特徴的な細胞ですので、この時点で確定診断と言ってもよいのですが、大切なことですので、手術で取り除いた物を病理検査でさらに調べてもらっています。
このようなできものの場合、傷を小さくするためにできもののギリギリで切開することはよくありません。しっかりと余裕をもって切り取らないと、再発の可能性が高くなります。
できものが本当に小さいときに発見され、飼い主さんも即手術を選択されましたので、再発は絶対に避けたいと考えていました。
まだ、検査結果は出ていませんが、十分な手術ができたと思っています。
男の子の口の中のできものです。
このできものの特徴は、薬を使うとほぼ完全に消えてしまうことです。
よく行う方法なのですが、薬で小さくしておいてから手術をすると、切開も小さい範囲で済みます。
この方法を始め試してみたのですが、小さくなるどころではなく、本当にわからないくらいに消えてしまいした。
結局手術は中止。
しかし、薬を止めるとまたできものが現れます。
これを何回か繰り返すうちに、薬を止めて、できものがはっきりとわかるときに手術をすることにしました。
通常は前の女の子同様に、手術前に針生検をするのも一つなのですが、口の中ですので、どうしても麻酔が必要です。
そこで、麻酔をかけて検査するなら、そのまま手術をして取り除くことが最善だということで、針生検をせずに検査と治療をかねて手術をなりました。
大変に元気のよい男の子で、小さいときから知っています。
手術の後も元気いっぱいでした。
前日はちょっと元気がなかったようですが。
どちらもしっかりと取り除けましので、病理検査の結果がでましたら、もっと安心できるのではないかと考えています。
どちらの飼い主さんにも笑顔になって頂きたいですので、はやく検査結果がでないものかと気になっています。
このように、できものが見つかったら、まずは何というできものかを診断することが大切ですし、できるだけ小さいうちに手術などで取り除くことは最善の策です。
また、悪いものではないと分かった場合には、様子を見て、大きくなるようなら手術をするという選択もあるかも知れません。
しかし、最も問題なのは、何のできものかわからないままに様子を見ることです。
突然にできものができることは少ないことです。
小さな細胞が次第に大きくなってできものができます。
ある程度成長してやっと発見されるわけですが、この発見時の大きさで運良く成長を止めることは、とても幸運なことです。
しかしながら、このような幸運はあまりあるものではありません。
普通はそのままさらに大きくなります。
できものを見つけたら、まずはそれが何なのかを知ることが大切だと考えています。
早期発見、早期治療に勝るものはありませんから