日本橋動物病院だより

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高齢ワンちゃんの麻酔

やや肌寒い日もありますが、さわやかな五月晴れの日が多くなりましたね。
明日は金環日食が見られると良いのですが、曇りの予報。
どうなりますか。
先日のことですが、ワンちゃんの飼い主さんがご相談だけにいらっしゃいました。
はじめてのご来院で、ワンちゃんを実際に見たことはありませんでした。
腰のところに大きなできものがあり、毎日消毒をしているとのことでした。
高齢の大型犬です。
かかりつけの先生は麻酔をかけられる年齢ではないから、このまま消毒を続けましょうとのことだったようです。
きっとお困りだったのでしょう。
近くの公園をお散歩中に出会われた他のワンちゃんの飼い主さんにご相談をされたようでした。
そしてうちの動物病院のことをお知りになったとのことでした。
実際のワンちゃんを診ずに、お話を聞いただけで全てを決めることはできませんでしたが、手術で取るのが最もよいだろうと考えました。
そのできものはこれからも大きくなるでしょうし、ワンちゃんも高齢とはいえ、まだまだ長く飼い主さんと一緒にいられそうでした。
そこで毎日消毒。
難しいことだと思います。
既に飼い主さんはお疲れのように見えました。
診察の日を決めて来院いただきました。
はじめにご相談を頂いた一番大きなできものだけではなく、実は他にも気になることがあるとのことで、これとあれと、などなど体の表面だけのことですが、いくつかのできものを診せていただきました。
それらの中には取る必要のないものもありますし、できれば取ったよいものもあります。
もともと麻酔のリスクで手術ができないと判断された子ですから、ある程度の優先順位や必須か選択可能かの判断が必要でした。
もっともお困りのできものは最優先です。
耳の中やお腹にも今後問題になりそうなできものもありますから、それも手術で取り除くことにしました。
慎重に麻酔をはじめ、安定したところで手術開始です。
優しい麻酔ですので、全く問題なく予定の手術ができました。
特別に変わったこともなく。
ワンちゃんは手術が終わった後は少し興奮して、とても元気でしたが、その後はゆっくりと眠ってしまいました。そこはやはり高齢犬ですので。
翌日のお迎えではすっかりといつもの様子に戻っていました。
飼い主さんはお帰りになった後でとても元気な様子が嬉しいとお電話をいただきました。
これで毎日の消毒は必要なくなりましたし、手術のあとも綺麗に治るはずです。
飼い主さんの笑顔がとても印象的です。