日本橋動物病院だより

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股関節脱臼

後ろ足を上げている。
そういうワンちゃんが来院しました。
とてもかわいい小型犬です。
このような場合に最も疑わしいのは膝蓋骨脱臼と言われるものです。
いわゆる膝のお皿が脱臼してしまうものです。
たしかに触診では膝のお皿の収まりもゆるめなのですが、どうもそれだけではなさそうです。
レントゲンを撮り、すぐにわかったことは股関節脱臼でした。
股関節脱臼は統計的には多いとされますが、あまりみるものではありません。
飼い主さんにいろいろとご説明をして、まずは単純にはずれてしまった間接を元に戻すことを試みました。
全身麻酔をした後で後ろ足を引っ張りながら回転させます。
脱臼した股関節の様子と戻し方を考えていなければ闇雲にやって戻るものではありませんので、しばしレントゲン画像とにらめっこです。
麻酔処置を行い、ゆっくりと整復します。
ほとんど時間もかからずに治すことができました。
すぐにレントゲン検査をして脱臼がないことを確認しました。
吸入麻酔を止めて酸素をゆっくりと流しながら覚めるまで待ちました。
治療前は完全に上げていた後ろ足でしたが、治療後はそっと着いて歩いています。
また脱臼が起こることもありますし手術が必要なこともあります。
1日経ったお昼でも調子は良さそうです。
まだ若い子。
これから楽しいことがたくさんあるでしょう。
どうにか再脱臼が起こりませんように。