日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

FCR

少し古い情報なのですが、sonyのウォークマンがappleのiPodを月間の販売台数で抜いたというコメントを読みました。現在はどうなのかはわからないのですが、ウォークマンというのは懐かしい響きでした。
僕がまだ学校に通っているときは、携帯して音楽を聴く物は何でもウォークマンと呼ばれていた気がします。当然ながら、ウォークマンはsonyの製品だけですが、他社製品であっても同じように誤ってウォークマンと呼ばれていた気がします。
レントゲン撮影したものをデジタル処理をして見ることができます。
CR(Computed Radiography)と呼ばれる物です。
現在はいろいろなメーカーさんから出されていますが、富士フイルムメデジカルさんの物が有名です。
富士さんのFがついてFCRという物ですが、僕にとってはCRというとFCRです。
他社製品であっても、うっかりFCRと言ってしまうことがあります。
ウォークマンのように。
先日、当院のデジタルレントゲンのメンテナンスでメーカーさんが来て下さいました。
「1年経ちましたよ。
メーカーさんは懸命に定期的な画質調整をして下さっています。
このデジタルレントゲンを導入して早くも1年が経ちました。
僕がまだ大学生の頃に、後の就職先になる京都の動物病院に実習に行ったときのことです。
先輩獣医師にいろいろなことを教わる中で、その動物病院に導入されていたFCRという器機の説明をされました。
それはレントゲンをデジタルで処理するもので、非常にきれいに現像されていました。
通常レントゲン検査では、レントゲンフィルムが入ったカセッテと呼ばれるものに照射して、暗室で現像を行います。
しかしながら、FCRは暗室処理をすることなく自動でフィルムに現像されていました。
大変に高価な器機であり、導入しているところはあまり多くはないと、誇らしげにお話をされていたことを思い出します。
まだ学生ながら、これから自分で動物病院を始めるときがきたら、いつかはFCRを導入したいものだという憧れがありました。
それからかなりの時間が過ぎました。
開院から3年にも満たない時期でしたが、多くの方にご来院いただき、レントゲン検査の機会も多くなったとろで導入を決めました。
その動物病院のものとはさらに進んだ物になりました。
フィルム出力をしない、いわゆるフィルムレスでの検査です。
心臓の大きさを測ったり、骨の太さをみたり、他で行ったCTやMRIの検査データを3Dにしていろいろな角度からみたり、これまではできなかったことが簡単にできるようになりました。
今では普通に使っていますが、メーカーさんの「1年経ちましたよ」の言葉は、いろいろと思い出すこ機会になりました。
開院したばかりの頃はいつ導入できるのかわからないと言うよりも、導入そのものを考えることもしないほどでしたので感慨深いものがあります。
業者さんがいろいろなメーカーのCRを紹介して下さいましたが、やはり憧れのFCRに決めました。
ちょっと専門的すぎるお話でした。