日本橋動物病院だより

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犬のブルセラ病

犬のブルセラ病についてのお問い合わせが多くなっています。
はじめてこの病気の名前を聞かれた方も多いと思います。
この病気は、犬から犬へ、そして犬から人へも感染する病気です。
病原体はブルセラ・カニス(B. canis)という細菌です。犬流産菌とも言われます。主な症状は、雌犬であれば流産、雄犬であれば生殖器病変です。この細菌は世界的にみられるのですが、特に犬繁殖施設や集団飼育されているところなどに、この細菌をもった犬が入ると流行することがあります。
この細菌は流産を起こしますので、流産胎子や胎盤にブルセラ・カニスが存在する場合、細菌は数カ月生存します。尿や精液中にブルセラ・カニスがいる場合、太陽光の下では数時間生存します。細菌が口から犬の体へ入ったり、交配によって入ったりして感染しますが、汚染環境からの間接感染もあります。家庭犬で多いのは感染犬の尿をなめてしまうことかもしれません。
口や目、交配などから菌が犬の体内に侵入すると、菌はリンパ節、脾臓、雄犬であれば前立腺、精巣上体、雌犬の妊娠子宮に達して病変をつくります。一般症状はほとんどありませんので、外から見てわかることが少ないのです。症状は、妊娠後期の流死産、雄犬であれば前立腺、精巣上体、精巣が大きくなったり、後では小さくなったりします。また、感染後期には髄膜炎、脊椎症、目の炎症も起こることがあります。
うちの子は大丈夫?というときにできることは検査です。
理想的な検査の時期は、感染したかもしれないと思う時から3週間ほどして検査をすることです。
感染のタイミングが不確かであれば、まず検査をしてみるのも良いかも知れません。
さらに3週間ほどあけて検査をすると結果がでます。
感染したかもしれない–3週間してから–血液検査1回目–さらに3週間してから–再度血液検査2回目–終了
ご心配な方全員が必ず2回の検査をしなければならないということではありません。また、抗生剤などを使用していると、検査結果がしっかりとわからない場合もあります。
それぞれで検査の回数や、結果の読み方が違うこともあります。
ご心配な場合には相談してくださいね。