日本橋動物病院だより

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Dr.HOUSE 海外ドラマ

今年の夏は涼しい日が多いですね。
それはうれしいことなのですが日光も欲しいものです。
贅沢ですね、涼しくて天気がよい夏。
遅くにテレビをつけると放送されている海外ドラマがあります。
Dr.HOUSEという番組です。
主人公の名前がハウス医師です。
主治医をはじめ数名の医師が診察をしても診断がつかなった難しい病気を診断し治療するという話です。
このお医者さんはドラマの中で最後には必ず診断をたてます。
難しいパズルを完成させるように、結果で考えますと多くの遠回りをしますが、最後にはやり遂げます。その熱意に感動します。まあ、ドラマの中の話といえばそれまでですが、かなりドキュメンタリーに近いものがあります。そこが魅力です。
このドクターは診断をたてるだけです。診断が決まれば治療はもう決まっています。診断結果が治る病気であれば治りますし、治らない病気ということがわかることもあります。
よくある医師の「神の手」というよりも、100%「頭脳」勝負です。
病院に行くと診断をたてることが普通と思っている方が多いと思いますが必ずしもそうではありません。
普通は診断がたたないと治療ができません。
しかしながら、症状をみて、その症状を緩和する治療、いわゆる対症療法で治る病気がほとんどなのです。
吐き気がある。
この場合、元気で食欲もあって吐いた回数が少なければ、確定診断をする前に対症療法を選択することも間違いではありません。
検査をしなくても吐き気止めなどでよくなる確率は少なくても80%以上です。
もちろん、仮の診断はあるのが普通ですが。
それでも治らない場合には検査で確定診断をたてることになるかもしれません。
風邪を引いて病院に行かれた時に、ほとんどの場合は検査は行われません。
症状だけで判断されますし、おそらくはそれだけで十分です。
ところが対症療法だけではダメで確定診断がたたないと治らない病気が20%以下ではありますが存在します。
さらにその中には確定診断がなかなか立たない難しいものもあります。
このドラマが魅力的なのは現実的だからだと思います。
僕も日常で診察するものはそのほとんどが確定診断検査までは必要のないものが多いのですが、時に対症療法に反応しない病気に出会います。
一つずつ確定診断に向けた検査を行っていきます。
たった1日の検査でどんな病気もわかるわけではありませんから、もの言わぬどうぶつをよく観察して症状を確かめたり、検査を重ねて変化をみたりします。
経過を追うことで見えるものもあります。
このような病気になったどうぶつは確定診断なしでは治療できません。
慎重に考えて、よく見て、検査を選択して、必要なら手術を行って。
それを繰り返して。
必ずある答えを探して。