日本橋動物病院だより

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ワンコの急性大腸炎

-東京都 中央区 日本橋動物病院のブログ-
(ワンちゃんの病気について書いています。)
昨日まで何ともなかったワンちゃんが突然の血便。
これは多くの飼い主様が同様に驚かれる症状です。
このような症状がみられる病気はいろいろとありますが、最も多く見ますのが、急性大腸炎(Acute Colotis)です。
症状は下痢や軟便で、ゼリー状の腸粘膜を含んだり、真っ赤な血液が出たりします。
また、大腸炎ではありますが、時に小腸などの問題も併せて起こることがあります。例えば、水のような便をしてしまったり、食べものや液体を吐いてしまったり、食欲がなくなってしまったりといった症状もよくみられます。
ワンちゃんは元気がない場合もありますが、多くの場合、普段とあまり変わらずに、あまりぐったりとしていないことがほとんどです。
では原因は何でしょうか。
・食べ残しやゴミ箱をあさってしまった
・原虫や細菌の感染
・鞭虫などの寄生虫
・細菌による腸毒素
・ストレス(入院、旅行、ペットホテル、環境の変化など)
・消炎剤などの薬物
・その他の病気による併発(膵臓の炎症、腹部の手術や処置)
環境の変化と言いますと、どんなことが?と思われるかも知れません。
例えば、慣れない場所(動物病院、ペットホテル、ご旅行先など)に泊まったとか、お友達が来られて長時間一緒だったということも急性大腸炎の原因になることがあります。
「最近お仕事が忙しくて留守がちで」
「孫が週末に泊まりに来て」
「水道屋さんが午後いっぱい作業されてていて」
「ドッグランに行ったけど、あまり喜んでいなくて」
「はじめてトリミングに行った」
などなど、いつもと違うできごとがストレスになることがあります。
このようなことがあった後から、3日以内くらいに下痢がはじまることがあります。
ストレスの原因がなくなれば治りやすくなります。
早くに治療を始めますと、多くの場合、当日から翌日にはよくなります。
さしあたっては、食事を抜くこともよいことです。
ただし、脱水症状がみられることもありますから、できるだけ動物病院でご相談してくださいね。
最近続いた急性大腸炎のお話でした。
それにしても、今日は暖かい。
もう春ですね。