日本橋動物病院だより

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外部寄生虫

3月になりました。
昨日の東京マラソンは雨でスタートし、午前中には少し雪も降りましたね。
ランナーの皆様、大変お疲れ様でした。
お昼に当院を出ると、ちょうど浅草方面からの折り返しのランナーの皆様が沿道の応援の中で、頑張っていらっしゃいました。
水天宮前交差点のあたりの新大橋通りは、浅草へ行くランナーも折り返してくるランナーも通過するところですので、結構長い時間通行止めになっていました。
3時過ぎる頃には交通規制もなくなり、車も歩行者もいつもどおりでした。
さすがに午前中の外来は少なく、午後はまた混雑でした
ところで、最近外部寄生虫を発見することが多くあります。
寄生虫はよく聞かれるものだと思いますが、「外部」って?
これは、体の表面にいる寄生虫です。
・耳ダニ
・疥癬(かいせん)
・毛包虫(ニキビダニ)
これら寄生虫による皮膚の痒みは、いろいろな痒みの中では最も痒いと言われます。
さらに難しいのは、疥癬やニキビダニは検査で発見するのが困難な場合があります。
検査ですぐにシロ・クロ付けることができない場合があるのです。
耳ダニは結構簡単に発見できますが。
ウサギさんの爪切りをしていますと、背中にフケのようなものが結構たくさん見つかりました。
お話を伺うと、痒がっているとのこと。
飼い主さんはあまり心配はされていらっしゃらなかったのですが、一応調べてみることになりました。
顕微鏡で調べますと、ダニがいます。
検査をするときにフケがいっぱい付いている背中を触りますと、後ろ足でカリカリを掻く仕草をします。
「痒そうだね」、ご夫婦でそのような会話がありました。
次には皮膚病のワンちゃん。
アレルギー性皮膚炎の治療中ですが、気になる湿疹を発見しました。
皮膚を少し擦って検査をすると、ダニがいました。疥癬です。
アレルギー性皮膚炎は確定診断がでていますが、それはまず置いておきまして、疥癬の治療が優先です。疥癬もアレルギー性皮膚炎もどちらも痒いものですが、疥癬の痒みが減るだけでもかなり楽になるはずです。
こちらの飼い主さんは、「ダニ?」と驚いていらっしゃいました。
耳ダニも疥癬も治療は難しくありません。
あまり時間をかけずに解決するはずですよ。
問題なのは毛包虫(ニキビダニ)です。
疥癬ほどの痒みではありませんが、治療に時間がかかることが多いものです。
基礎疾患と呼ばれる、元々の体の変化や弱さも影響します。
毛包虫を治療する中で、治りにくい場合や、治療に予想以上に時間がかかる場合は、基礎疾患が問題かもしれません。
僕の体験的なものですが、1歳未満で毛包虫症を診断された場合は、ある程度年齢が進んでからの場合と比較して、治りが良いものです。
文献には、1歳未満であれば治療しなくても良いものもあると書いてある物もあります。
当然ながら、それでも治療した方が早くに良くなるわけですし、かならず治療しなくても治るわけではありませんから、通常は放置したりせずに治療します。
慢性的な痒みがあり、確定診断が誤っている場合、もしかすると外部寄生虫症かもしれません。
特徴的には、かゆみ止めと言われて処方された薬が効いていないように見えるときは、一応注意してみたほうが良さそうです。
検査方法や治療方法も1つではありません。
かかりつけの獣医師さんとじっくりとご相談してみてくださいね。