日本橋動物病院だより

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子宮蓄膿症という病気

ワンちゃんに子宮蓄膿症という病気があります。
不妊手術を行っていない女の子にはどの子にも可能性があります。
足を痛がるということで来院されたワンちゃんの飼主様から問診のお話を伺っていますと、どうも子宮蓄膿症ではないかと考えられる症状がいろいろとでてきました。
当然、子宮蓄膿症は足の痛みとは無関係です。
足の痛みで来院されましたが、どうやら違う病気もありそうですよとのことで、お腹の超音波検査をしました。いわゆるエコー検査です。
超音波のモニターには明らかに異常な子宮が写っています。
この病気の治療には手術が必要です。
飼主様は、顔には出されませんでしたが、かなり驚かれたに違いありません。
足の痛みの話が突然子宮蓄膿症の話になり、そして手術の話になりましたから。
まだいくらかワンちゃんに余裕がありましたので、初日は点滴をしながら体調を整えることにしました。
いろいろと麻酔をかける前の検査をしました。
翌日に手術を行いました。
かなり大きくなった蓄膿子宮でした。
完全に取り除き、体調も元に戻り、食欲も徐々に出てきました。
足の痛みの話は初日だけで、手術の後も結構元気よくお散歩に出かけることができました。
そして退院。
子宮蓄膿症にはいろいろなサインがあります。
発情後から2カ月の間は注意が必要です。
特に5歳以上の子の場合。
水を多く飲むようになり、尿量も増えることがあります。
食欲はかなり悪くなるまで落ちませんので、あまり目安にはなりませんが、最終的には食欲が無くなります。
お腹が膨らむこともありますが、肥満傾向にあるワンちゃんんですと、なかなかわかりません。
上のようなことが全ての子宮蓄膿症のワンちゃんにみられるわけではありません。
しかしながら、水を多く飲むようになることは特徴的でわかりやすいことですので、あれっ?と思われましたらご相談くださいね。
当然ながら、不妊手術をしている子は全く心配ありませんよ。