日本橋動物病院だより

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トリさん

中型のトリさんが骨折で運ばれてきました。
怪我をしてしまったようですが、元気はあります。
食欲もモリモリです。
しかし、翼が折れたトリさんは飛べません。
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右翼の太い骨と細い骨の2本の骨のうち、2本ともに折れています。
わんちゃん、ねこちゃんでしたら、このような場合には橈骨(太い骨)を優先的に固定します。
尺骨は固定をしなくても自然に治ることが多いのです。
トリさんも同様です。
このトリさんは太い骨が大きく砕けていましたので、そこを中心に整復することにしました。
髄内ピンを入れて、サークラージワイヤーで固定しました。
比較的麻酔もかかりやすく、スヤスヤと眠ってくれました。
羽毛を処理して消毒をするときに、ちょっと起きそうになりましたが、その後は手術が終わるまで眠っていてくれました。
動物病院の獣医師をしていますと、多くのわんちゃんねこちゃんとの出会いがあります。
また、今回のように、いろいろな種類のどうぶつ達に出会えるのは本当に嬉しいことです。
このトリさんの翼が治るまでには結構な時間がかかりそうです。
また自由に飛べる日がきますので、もう少しの辛抱です。
それにしても、手術直後にもモリモリ食べますねぇ。
すごい!
ちなみに、トリさん達の平均的な寿命はどれくらいでしょうか。
セキセイインコだと10年ほどです。
オウムの中には50年くらいの平均寿命の種類も多く存在ます。
しかし、実はこれらのトリさんの寿命は飼育の環境で大きき変化します。
スズメの場合には、野生と飼育環境下では相当な寿命の違いがでます。
(野生のトリさんを飼うことはよくありませんが)
とにかく術後の元気をみますと、本当につよい動物だと思います。
何と言いましても、空を飛ぶことができるのですものね。