日本橋動物病院だより

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インド -犬と海外へ-

ワンちゃんと海外へ行くためには、いろいろな手続きが必要になります。
今日、お問い合わせのお電話がかかってきまして、インドへ連れて行きたいとのことでした。
これまで、いろいろな国へ行かれる手続きのお手伝いをさせていただきました。
チェコ共和国、ハワイ、アメリカ本土、カナダ、マレーシア、フランス、ドイツなどなど。
しかしインドは初めてです
海外へ行くためには、大きく2つの条件を満たす必要があります。
一つは日本の出国条件、もう一つは相手国の入国条件です。
日本の出国条件はいつでも同じですが、大きく異なるのは、相手国の入国条件です。
まずは、相手国の入国条件を調べることからはじまります。
このためには、在日の各国大使館へ連絡を取ります。
基本的には狂犬病の注射がどうなっているかが重要です。
接種しているだけで大丈夫な場合と、抗体検査と言いまして、ワンちゃんの体の中に狂犬病に対する免疫ができているかまで調べる必要がある場合があります。
数年前までは、抗体検査をする研究所を指定している国があり、血液をイギリスへ送ったり、アメリカへ送ったりして、抗体検査をしていました。
最近では国内でも狂犬病の検査ができるようになりました。
これにともない、多くの国が日本の研究所での検査結果を有効なものとしてくれています。
現在はもっぱら、国内の研究所、と言いましても1カ所だけですが、そこで検査をしてもらっています。
血液を海外へ送るのもかなり大変でしたから、楽になりました。
今となってはほとんど必要のない情報なのですが、血液を海外へ送るにも検疫が必要です。
獣医師が、確かにこの健康なワンちゃんから採血をしましたと証明しなければなりませんでしたし、その証明をもって検疫所に行かなければなりませんでした。
また、血液を冷蔵で海外まで届けなければならないところもありました。
この場合には、採血したら、すぐに遠心分離にかけて処理し、それをもって検疫所へ行き許可をもらい、さらにはその足で、海外へ冷蔵で発送するといった一連の流れを一気に進めていました。
今は神奈川県の研究所でできますので、かなり時間に余裕ができました。
それにしても、インドの入国条件はどうなっているのでしょうか。
飼い主さんから教えて頂く予定です。
どうにか一緒に過ごせるように、迅速に手続きを進めなければなりません。
ひとつ。
海外旅行へ一緒に行くことは、あまりお勧めできません。
日本への再入国が結構大変だからです。
あくまでも、移住などのために不可欠な手続きと言えると思います。