日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

ウォルト・ディズニー・ワールド

アニコムさんの満足度調査のシンポジウムに参加してきました。
ちょうど当院の休診日でもあったので、午後に新宿に行ってきました。
満足度調査に参加された、北海道から九州までの全国の動物病院の方々が参加されていました。
数名の講師が、いろいろなテーマでお話をしてくださいました。
フロリダのディズニーワールドでお仕事をされていた講師の先生から、そこで起こった感動的なお話を聞きました。
ディズニーワールドでは、お客様を楽しませる数々の仕掛けがあるそうです。
その一つに関するエピソードです。
ディズニーワールドでは、水飲み場は必ずペアで置かれているそうです。
大人の高さの物と、子供と車いすの方の高さのものです。
それらの水の出る向きが計算されていて、大人と子供が同時に水を飲むと、目と目が合うようになっているそうです。すごい!
ある日、一人のお母さんが、「水を飲んでいたらとても幸せなき気持ちになったの」とその方に向かって話してくださったそうです。
子供と水を飲んでいたら、目と目が合ったの。その瞬間に、幼い頃、自分が母親に連れてきてもらたことを思い出したわ。
年老いて他界した母だけど、今目の前にいたのは、ディズニーワールドに連れてきてくれた、若くて美しい母親だったの。
その時に、私をどのような気持ちで連れてきてくれたのかがわかったわ。
今、とても幸せな気持ちよ。
・・・すみません、文章力のなさで、すごく感動したよい話がちょっと台無しな気がして残念ですが、こんな話をしてくださいました。
恥ずかしながら、かなり目の奥が熱くなってしまいました。
ホスピタリティーと言うと、必ず出てくるのが、リッツカールトンとディズニーランドです。
このディズニーランドでお仕事をされていた方に直接お話を聞けて、それだけでも感動でした。
ホスピタリティー。
病院:Hospitalの語源ともなった言葉ですので、このような安心や感動や癒しの場でなければならないのだろうなと、そう感じました。
当然ながら、動物病院はディズニーランドではありませんので、しっかりとした医療を通してどうぶつと飼い主様に向き合うことが基本です。
とにかく学ぶことが多いシンポジウムでした。
最後に、別の講師の方が、「満足度調査の順位なんて、意味ありませんから」と言われました。
この言葉にハッとしました。
個々の動物病院の満足度であり、逆に不満であるところを改善するのが目的です。
それを順位で表すことは、確かにあまり意味のないことです。
絶対評価が大切であり、相対評価は無意味です。
よい評価を頂けて嬉しかったのは確かですが、本来の目的とは違うことに気づきました。
喜ぶようなことではありませんでした。
深く反省。